「Share the Goal for Smile~審美修復治療を成功に導くコミュニケーションと実際~」

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H29.11.25
Dr西山 英史
「Share the Goal for Smile~審美修復治療を成功に導くコミュニケーションと実際~」

Kingの勉強会にて西山先生に講演していただきました。

審美歯科という言葉をよく聞きますが、歯並びを被せ物で改善したり、色の白さを求めたりと口元の印象1つで大きく顔の印象が変わります。
ただ、歯を犠牲にしてまで削って被せるのはお勧めできません。診査、診断をしっかり行い神経を取らないように、また、削りすぎないように工夫して最小限の治療で最大限の効果を生み出すことが理想的です。
何でもかんでも削って被せているわけではありません。

審美とは理想的な歯の形態が平均的な数値、比率になっていることで美しく見えます。
多少でも平均値がずれてしまうと顔の長さ、額の広さ、目の幅、顎の突出感など個性ではありますが整っているとは言えません。
歯の形も必ずしも平均値にしているわけではなく、顔の輪郭や唇の厚み、スマイルラインを見てその人に合った歯をつくるのでゴールデンプロポーションが理想ではないのです。

審美歯科とは患者さんの審美的欲求を満たすことが目的でドクターがその要求を聞き取り、具現化することで技工士が形にするといった手順を追って治療を進めていくため治療のゴールを3者が一致しないとうまくいきません。
先生やそのスタッフがいくらきれいな歯ですねと言っても患者さんが気に入らなければ目的は達成されません。技工士のセラミックをつくる技術にも限界があるので連携することでより満足の行く治療をすることができます。

例えば、顔の中心と歯の中心がズレており、矯正をしないとなった場合、4ミリ以内のズレであれば顔貌に対して歯の軸方向を合わせたり、形態に丸みを帯びさせたり、その反対側には逆にストレートなラインにしたり、歯の膨らみをつけて影にして歯を小さく見せたりなど、歯を作る上でのテクニックを駆使してその人に一番合った歯を作り、ズレが気にならないように仕上げます。

また、スマイルラインから歯の見える範囲が2.0mm~4.5mmが平均です。
まず、真ん中の歯の長さをどの位置にするか決定し、下唇と接触する位置が渇いた部分と湿っている部分の境界から1mm内側にするときれいな位置となります。
ただし、笑った時に歯茎まで見えてしまう方、ほとんど歯が見えない方がいます。
歯ぐきまで見えてしまう場合、歯ぐきのラインが左右対称でないと気になってしまいます。
ほとんど歯が見えない場合は歯の長さを長くして歯が少し見えるようにします。
唇のラインを額縁として考え、歯という絵を描くと見え方がきれいになります。

顔貌に対して、歯の中心、形、真ん中の歯のポジションが重要です。
顔貌、唇、歯の並び、1本ずつの歯の形態といったように大きな部分から小さい部分を見ていきながら診査します。

治療が難航する場合がありますが最終的な被せ物に至るまで試行錯誤し、満足していただける歯ができたときには患者さんとともに最高にうれしいです。
これから先の将来、笑うことが多くなり、自慢の歯となり生活の質が向上すること間違いありません。
その喜びをたくさんの人に提供できるような治療ができるよう自分自身も見る目を養い、考えながら勉強しております。