H29.3.19 「アメリカ歯周治療の最前線に学ぶ」
アメリカボード認定歯周病専門医 Dr.Seiko Min
南カルフォルニア大学歯学部(USC)歯周病科勤務
アメリカでの歯周病治療の実際を学んでまいりました。
アメリカでの歯肉退縮率は58%。
知覚過敏、審美的問題、根面カリエス、咬耗、磨耗、付着歯肉の減少など歯肉を再生する結合組織移植のケースをスライドにより拝見いたしました。
現在の技術では歯肉退縮を起こした歯の両隣在歯にも多少の退縮があった場合でも処置を行い回復するような術式があります。
以前は、成功率が低いためアプローチすることが少なかったのですが現在は、成功率が上がり悩んでいる患者さんに対して満足のいく結果が得られるようになりました。
天然歯では歯肉退縮の問題に対応できるようになっておりますが、インプラントに対しては難しいようで、同じようにはいきません。
インプラントの場合、血流が悪く、結合繊維の走行、数が少なく、移植してとしても思ったように歯肉の回復ができないので、埋入ポジションが大事とのことです。
これは、歯ぐきだけではなく、被せ物の形にも影響するためしっかりと診査、診断の上、インプラントを行うことが重要です。
今後、治療が終わり、定期検診へ移行する際に、再治療をする可能性が高くなる患者さんと安定して健康でいられる患者さんに分かれます。
リスクの高い方はタバコの量、残存した歯周ポケットの深さ、歯ブラシの習慣ができておらず出血しやすい状態、残っている歯が少ないこと、骨の吸収が大きい、全身疾患があるなどです。
できるだけ検診の期間を短くして管理をすることが大切です。
当院では、再治療しないように、検診を推奨して健康な歯でいられるような管理をしていきたいと思っておりますので、通っていただいている患者さんにはそのための準備をしっかりするよう努めていきます。
歯の大切さを実感できる講演でした。