ジルコニアについて徹底解説!セラミックとの違いは?
自費の被せ物と聞くと「ジルコニア」の他に「セラミック」という言葉をよく耳にするのではないでしょうか。
ですが、具体的にジルコニアとセラミックの違いとは何か、それぞれのメリット・デメリットとは?
前回はジルコニアのメリット・デメリットについてご説明させていただきました。それを踏まえ、第4回目の今回は、そんな「ジルコニア」と「セラミック」の違いをメインに詳しくご紹介いたします。
材質の違い
ジルコニアとは、前回お話させていただいた通り、二酸化ジルコニウムというジルコニウムの酸化物の事です。耐久性や耐熱性に優れている為、人口ダイヤモンドとも呼ばれており、歯科以外にも車や電子回路のパーツ、燃料電池、ガラスや人工股関節の球場骨頭部にも活用されています。
それに対し、セラミックとは陶器で作られた素材です。透明性が高く自然の歯に一番近い硬さと柔らかさを併せ持っています。自然の歯に馴染みやすく、見た目の美しさを重要視する場合は特におすすめです。歯科以外では腕時計の部品や外装、宝飾品などにも使われています。また、セラミックと銀歯との違いとしても、見た目が綺麗、劣化しにくい、虫歯になりにくい、といった点があげられます。
共通するメリット・デメリット
メリット
ジルコニアもセラミックも、共に劣化しにくく、体に馴染みやすい素材となっています。
金属を使用していないので金属アレルギーの方でも安心です。
近年、白い被せ物である「CAD/CAM冠」も保険診療の適用となりましたが、強度や審美性、適合の面からCADとセラミック、ジルコニアとCADを比較してみても、ジルコニアとセラミックの方が圧倒的に優れています。
レジン(プラスチック)が含まれると年数の経過とともに変色が見られます。ですがジルコニアやセラミックはレジンが含まれておらず、表面も滑らかで傷が入りにくいことから歯が黄ばんでくるリスクが低く、長い期間綺麗さを保ちやすいです。
汚れやプラークも付きにくく、天然歯との接着性に優れた材質なので、虫歯の再発リスクを抑えることにも繋がります。
また、セラミックの破折について危惧される方も多いですが、ジルコニアやセラミックの平均寿命は10~15年と保険での被せ物の平均寿命3~5年に比べてとても長持ちします。
治療用途も広く、虫歯治療の他に矯正やインプラント体、クラウンブリッジなどにも使用されます。
デメリット
共に保険診療の適用外の為、高価であるということです。
また、硬い材質の為、一度着けてしまうと取り除くことが難しくなります。
それぞれのメリット・デメリット
ジルコニア
メリット
・強度にとても優れている
・セラミックに比べ費用を抑えられる
デメリット
・透明度の再現が難しく、色調が劣る
・硬い為、調整が難しく、噛み合わせの歯がすり減る場合がある
セラミック
メリット
・何十種類とある陶材を周りの歯の色を参考に何度も細かく盛り付けて作っていく為、色合いもご自身の歯に限りなく近いものを作製できる。
・調整がしやすく、嚙み合わせに馴染みやすい
デメリット
・ジルコニアに比べ、強度が劣る
・高価である
ジルコニア・セラミックにおすすめの部位
セラミックはジルコニアに比べ強度は劣りますが、ご自身の歯と比較しても分からない程透明度が高く色合いの調整も可能な為、前歯に多く使用されます。
それに対し、何度もお伝えしておりますが、最も耐久性が高く割れにくいジルコニアは食べ物をすり潰す働きのある奥歯に最適な素材といえます。また、奥歯であれば光沢感もさほど気になりません。
以上が、今回の内容でした。
ジルコニアもセラミックも強度が高く、審美性、接着性にも優れており、金属アレルギーの心配もありません。共にとても優秀な被せ物ですので、どちらを選ぶべきか迷われる方も多いと思います。
今回ご紹介した「ジルコニア」「セラミック」それぞれにメリット・デメリットがあることをご理解いただきそれを踏まえた上で、当院ではご自身に合った治療法をご相談し、治療を進めていきたいと考えております。
記事の著者:院長 北原 充志
私が歯科医師になろうと思ったきっかけは、両親がともに歯が悪く、苦労していたことでした。「自分が治療しておいしく食事ができるようにしよう」と考え、今ではその夢を叶えることができました。
お口は食べるだけでなく、健康にも重要な役割を担う場所。美しい歯と健康なお口でいるお手伝いをするため、研さんに励んでいます。私達にとって、家族同然の存在でもある患者さまたちの歯を長く残すため、お気軽に検診にご来院いただければ嬉しいです。
また当院のジルコニアの症例もご覧ください
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