ジルコニアについて徹底解説!どんな症例がある?

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ここまで5回にかけてジルコニアについてご説明させていただきましたが、今回が最終回となります。
実際の症例をご紹介し、ジルコニアを希望される際の検討材料にしていただけると幸いです。

おさらい

ジルルコニアは、保険適用の対象となるCADと比較すると適用できる歯の幅が広くなり、自分の歯の色に近づけるというメリットがあります。

また、銀歯とセラミックにも大きな違いがあるように、セラミックと比較すると、強度が強いため破折などの心配が軽減されるという違いがあげられます。さらに、オールセラミックで治療するのに対し、ジルコニアセラミックで治療した場合は、治療費を抑えることができます。

当院の症例

  1. 50代女性 何度も割れる奥歯をジルコニアで治した症例
  2. https://kitahara-dds.com/case/20200609/

    ご相談内容 以前から入れていたセラミックが割れてしまったため、来院されました。この部位以外のセラミックも割れた経験があり、「割れない白い被せ物はないか」とご相談がありました。
    行ったご提案・治療内容 虫歯の部分の神経を保護し、レジンコテーィングを行った後、割れにくいジルコニアインレーを選択しました。
    治療期間 2回
    おおよその費用 60,500円(税込)
    術後の経過・現在の様子 ジルコニアを使用しているため年数が経っても艶があり、着色汚れやプラークの付着があまりなく良い状態を保てています。
    治療のリスクについて 保険治療の銀歯も同様ですが、ジルコニアは強度があるためインレー修復の場合、周りの歯のほうが咬耗してしまいます。その時はレジン修復にてカバーします。このほか艶があるので、セラミックのような色を出すことができません。
    また、表面が滑沢なため接着力が劣ります。取れてしまった場合、なくさずに持ってきてください。
    再度接着しなおすことができます。
    被せ物があれば、補償対象外でも自費で費用はかかりません。
  3. 20代女性 負担なく神経を抜かずにジルコニアインレーを使用して治した症例
  4. https://kitahara-dds.com/case/20200806/

    ご相談内容 「歯の治療が苦手なので、負担の少ない治療は無いか」とご相談がありました。
    行ったご提案・治療内容 1回目:麻酔なしで虫歯の部分を最小限に削り、ドックベストセメントを使用。神経を保護し、セメントにてカバーしました。
    2回目:麻酔をしてレジンでコーティング後、形を整えてから型取りを行いました。
    3回目:風をかけるとしみることがあり、不安なため麻酔をしてからジルコニアインレーをセットしました。
    治療期間 3回
    おおよその費用 60,500円(税込)
    術後の経過・現在の様子 歯を削る量を最小限に抑え、神経を守ることができたので、快適な状態で過ごしております。
    ジルコニアを使用しているため、耐久性が良く、着色汚れやプラークの付着があまりない良い状態を保てています。
    治療のリスクについて ドックベストセメントはむし歯の進行を止めますが、むし歯の大きさによってはすでに神経まで細菌が達していることがあります。
    将来的に、症状が出た場合には、神経を取る可能性があります。
    その場合、中央のみに穴をあけ、根の治療ができるのであればジルコニアインレーを外さずに治すことができます。
    だだ、ジルコニアインレーをすべて外さないと根の治療ができない場合は保証期間5年を過ぎてしまった場合には再度費用がかかってしまいます。
    取れてしまった場合、なくさずに持ってきてください。再度接着しなおすことができます。
    被せ物があれば、補償対象外でも自費で費用はかかりません。
  5. 40代男性「歯のこすれが強い」ジルコニアで治した症例
  6. https://kitahara-dds.com/case/20220628/

    ご相談内容 「歯ぎしりが強いため、それに対して強度のある材料で治してほしい」とご相談がありました。
    行ったご提案・治療内容 銀歯を除去し、虫歯を取った後、上下の歯がかみ合っているところに印をつけて歯がこすれているところをジルコニアで覆うような形に形成します。
    ジルコニアで覆うことで歯のこすれを守り、ジルコニアの強度があるため、割れずに長持ちするようにいたしました。
    治療期間 2回
    おおよその費用 60,500円(税込)
    術後の経過・現在の様子 ジルコニアをはめた後は症状もなく歯のこすれも安定しております。
    治療のリスクについて 昔はジルコニアの研磨が足りていないときにかみ合っている歯の方が削れてしまうと言われていたこともありました。
    ジルコニア専用の研磨材料が出てからはそれでしっかり研磨することにより改善されたのでかみ合わせがジルコニアで悪くなることはありません。
    むしろ、しっかり研磨することで艶が十分出て機能面もしっかりし、強度も備えているので長持ちする材料として使用しております。
  7. 30代女性 銀歯が不適合となり再治療になりにくいジルコニアで治した治療
  8. https://kitahara-dds.com/case/20220719/

    ご相談内容 「右上奥歯の間にフロスを通すと切れてしまうので治療してほしい」とご相談がありました。
    行ったご提案・治療内容 フロスが切れるため銀歯を除去する必要があります。
    虫歯にもなっているため、銀歯の下の虫歯を取った後、削った穴が神経の近くになるため、神経を保護する材料を引いてカバーします。最後に形態をきれいに整えて型取りとなります。
    被せる材料は銀歯かセラミック、ジルコニアをお話ししたところ、虫歯になりにくく、割れない材料が良いとのことで、ジルコニアを選択しました。
    治療期間 2回
    おおよその費用 60,500円×2本=121,000(税込)
    術後の経過・現在の様子 ジルコニアを入れることによって再治療がないことが多いです。経過良好です。
    治療のリスクについて もともと銀歯が入っているので、除去するときに響きます。
    また、銀歯が入っていることからすでに削られている歯の量も多いため、銀歯の下がむし歯になると、さらにそこからむし歯を削らなければならないので、神経に近くなりしみやすくなることがあります。
    それを防ぐために削った内面にコーティング剤を引いて保護します。

以上4件の症例をご紹介いたしました。
それぞれご相談内容は異なりますが、皆様術後の経過は良好でストレスなく、過ごされております。
ですがリスクが伴うことも事実ですので、その都度、患者様には丁寧かつ分かりやすくご説明をし、ご理解いただいた上で治療を進めていきたいと思っております。

~最後に~

ここまでジルコニアの素材や歴史、メリット・デメリット、セラミックとの違いなどをご紹介させていただきましたが、ジルコニアはあくまで選択肢の一つです。
見た目や強度よりも費用を抑えたいという方には保険適用のCAD/CAM冠や硬質レジン、銀歯という選択肢もあります。
しかし、保険適用はあくまで最低限の治療で、使用できる材料にも制限があります。そのため、耐久性や審美性を持たせるために自由診療のジルコニアやセラミックなどを使用する必要があります。
歯の治療は様々ですので「ご自身にとって大切なもの」を基準にご検討いただき、後悔しない治療を受けていただけるよう、ご相談して決めていきたいと思っております。

ジルコニアの他に、前回お話しさせていただいたセラミックも含め、被せ物には多数の種類があり、それぞれにメリット・デメリットがございます。
何か気になる点や疑問等がございましたら、お気軽にご相談ください。

記事の著者:院長 北原 充志

院長 北原充志

私が歯科医師になろうと思ったきっかけは、両親がともに歯が悪く、苦労していたことでした。「自分が治療しておいしく食事ができるようにしよう」と考え、今ではその夢を叶えることができました。

お口は食べるだけでなく、健康にも重要な役割を担う場所。美しい歯と健康なお口でいるお手伝いをするため、研さんに励んでいます。私達にとって、家族同然の存在でもある患者さまたちの歯を長く残すため、お気軽に検診にご来院いただければ嬉しいです。