インプラントとは?今更聞けない治療の概要を解説
こんにちは、きたはら駒込歯科です。
みなさんは「インプラント」という言葉を歯科医院などで耳にしたことはありますか?
インプラントとは、歯科における補綴治療の方法のひとつです。
今回は、インプラントとはなにか、その治療の概要についてご紹介します。
インプラントとは?
インプラントとは、体内に医療機器を埋め込む治療や材料の総称です。一般的にインプラントと聞くと歯科での治療をイメージする方も多いかと思いますが、歯科だけでなく他の医療分野においても広く用いられます。例えば、整形外科で骨折治療に用いるボルトや人工関節、美容外科で鼻に入れるプロテーゼなどもインプラントの一種です。
歯科におけるインプラントとは、「デンタルインプラント」を指しますが、インプラント治療が広く普及してきたため「インプラント」で通ずるようになっています。
インプラント治療の概要
むし歯や歯周病、外傷などの何らかの要因で歯を失った時に、その場所を補うための治療のひとつがインプラントです。歯を失った場所の顎の骨にねじのような形態の人工歯根(インプラント体)を埋入し、その上から人工歯を被せます。歯周病が進行している等の理由で顎の骨が極端に少ない場合は、それを補う治療が別途必要になったり、インプラントの適応が難しいケースもあります。
また、インプラントは顎の骨に人工の歯根を埋め込む治療なので、差し歯の治療とは異なります。差し歯の場合は、まだ自分の歯の根が残っている状態です。
インプラントの構造
インプラントは、3つの要素から構成されています。
1つ目は、顎の骨に埋め込む人工歯根(インプラント体)です。歯の根の代わりとなるもので、直径約3~6mm、長さ約8~15mmのスクリュータイプが主流です。現在国内では約20社のインプラントが流通しており、骨の量や形態に合わせて様々なタイプがあります。
2つ目は、人工歯根と上部構造を連結する土台となる支台部(アバットメント)です。多くは純チタン製かチタン合金製ですが、一部セラミック製のものもあります。
3つ目は、歯冠の代わりとなる上部構造です。アバットメントの上に被せ物のように装着します。ほとんどのケースで、審美性と耐久性に優れるオールセラミック、ジルコニアセラミック、ハイブリッドセラミックのいずれかで作製されます。
インプラントの構造には2種類あります。一つは、人工歯根(インプラント体)と支台部(アバットメント)が一体化したワンピースタイプ、もう一つは人工歯根(インプラント体)に支台部(アバットメント)を連結するツーピースタイプです。ワンピースタイプは手術が1回で済みますが、適用できるケースも限られ、支台部(アバットメント)に不具合が生じた場合に人工歯根(インプラント体)ごと撤去しなければなりません。これらのことから、現在はツーピースタイプのインプラントが主流となっています。
インプラントの特徴
インプラントでは歯根と歯槽骨をつなぐ歯根膜はなく、骨に直接結合しています。被せ物も歯根も人工のものなので、むし歯になることはありませんが、メンテナンスを怠るとインプラント周囲の粘膜が炎症を起こすインプラント周囲炎を発症し、歯周病のような症状が出ます。この場合、最悪のケースですとインプラントが抜け落ちてしまうこともあります。
インプラントの材質
インプラントの材料には、純チタンもしくはチタン合金が用いられます。チタンは人工関節など歯科以外の医療分野においても幅広く使用される、体に優しい材料です。生体親和性に優れており、骨と直接強く結合する性質をもっています。また、金属アレルギーが起きにくく、安心してご使用いただける素材です。
今回は、インプラント治療の概要についてご紹介しました。
次回以降は、インプラントの歴史や入れ歯・ブリッジとの違い、さらにはメリットやデメリットなど、様々な視点からインプラントを徹底解説していきます!
記事の著者:院長 北原 充志
私が歯科医師になろうと思ったきっかけは、両親がともに歯が悪く、苦労していたことでした。「自分が治療しておいしく食事ができるようにしよう」と考え、今ではその夢を叶えることができました。
お口は食べるだけでなく、健康にも重要な役割を担う場所。美しい歯と健康なお口でいるお手伝いをするため、研さんに励んでいます。私達にとって、家族同然の存在でもある患者さまたちの歯を長く残すため、お気軽に検診にご来院いただければ嬉しいです。