予防歯科でお馴染みのフッ素って何? 歯を守る強い味方!

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こんにちは、きたはら駒込歯科です。

「フッ素」は歯の健康を守るために重要な成分ということは多くの方がご存じかと思いますが、実際フッ素がどんな力を持つのか知らない人は多いのではないでしょうか?

この記事では、フッ素がもたらす効果を解説していきます。

市販の歯磨き粉にフッ素は含まれている?

フッ素は自然界の植物や動物、食品、海水中などに存在する元素です。市販されている歯磨きの90%以上にフッ素が含まれています。ですのでどんな歯磨き粉を選んでもフッ素は基本的に配合されていますが含まれている濃度が異なります。

フッ素の濃度

歯磨き粉を選ぶときはフッ素の濃度に注目して選びましょう。日本国内では薬事法の定めにより歯磨き粉に配合できるフッ素の濃度は1500ppmF以下と決められており、5歳以下のお子さまが使う歯磨き粉では、1000ppmF程度のものが推奨されています。

フッ素の効果

フッ素がもたらす効果は、主に3つに分けられます。

①再石灰化を促進させる

歯の表面はエナメル質でできており、この表面は虫歯原因菌が産生する酸によって溶かされ脱灰してしまいます。しかし脱灰してしまっても唾液に含まれるリン酸カルシウムの働きによって歯のダメージは修復され再石灰化される仕組みになっています。フッ素を取り入れることで、リン酸カルシウムの反応性を高めることができ、歯の再石灰化を促してくれる効果が期待できます。

②細菌の働きをおさえて酸の産生を抑制する

虫歯原因菌が産生する菌によって虫歯は発症してしまいます。フッ素はそういった細菌の働きを抑制し、酸の産生を抑える効果があります。フッ素を取り入れることで結果的に虫歯になりにくいお口の中の環境を作ることにつながります。

③歯質を強化する

フッ素には歯質を強化してくれる効果も期待できます。歯の表面のハイドロキシアパタイトという結晶のエナメル質を酸に強いフルオロアパタイトに変化させ、エナメル質を丈夫にすることで、虫歯になりにくい歯を作り出します。

フッ素の適正量

効果的かつ安全にフッ素入りの歯磨き粉を使用するためには、適正な使用量を守ることも重要です。年齢に合わせた適正な量や濃度が2023年1月に改定されました。

*歯が生えはじめて~2歳

推奨されるフッ素濃度は:1000ppmFまで
1回あたりの使用量:1~2mm程度(米粒くらい)
寝る前や食後など1日2回程度使用するのがおすすめです。うがいが出来ないお子さまにはジェルタイプを使うと良いですよ。

*3歳~5歳

推奨されるフッ素濃度は:1000ppmFまで
1回あたりの使用量:5mm程度(グリーンピースくらい)
お子さま自身で上手に歯磨き粉の量を調整することはむずかしいので、歯磨き粉の量やうがい方法はご家族が行いましょう。うがいをしすぎるとフッ素が洗い流されてしまうので1回程度にします。

*6歳~成人/高齢者

推奨されるフッ素濃度は:1500ppmFまで
1回あたりの使用量:1~2cm程度
6歳頃になれば小学生になりお子さま自身でも量をある程度調整できるようになりますが、慣れるまでは見守ってあげましょう。

フッ素入り歯磨き粉の効果的な使い方

自分の年齢に合った適正な使用量を歯ブラシに出し、歯磨き粉を全体に広げましょう。歯磨き粉がむらなく行き渡るようにブラッシングしたら10〜15mlほどの少量の水で1回だけ軽くお口の中をゆすぎます。何度もうがいをしてしまうとフッ素がすべて洗い流してしまうので、うがいは優しく1回でOKですよ。

まとめ

フッ素がもたらす効果や、適正な量など効果的な使い方をご紹介しました。年齢に合わせて適正な量を守り、効果的に虫歯を予防していきましょう。

おうちで行うセルフケアに加え、歯科医院での定期検診やクリーニングも予防には欠かせません。当院でも予防歯科に力を入れております。お悩みや不安があれば気軽にご相談ください。

記事の著者:院長 北原 充志

院長 北原充志

私が歯科医師になろうと思ったきっかけは、両親がともに歯が悪く、苦労していたことでした。「自分が治療しておいしく食事ができるようにしよう」と考え、今ではその夢を叶えることができました。

お口は食べるだけでなく、健康にも重要な役割を担う場所。美しい歯と健康なお口でいるお手伝いをするため、研さんに励んでいます。私達にとって、家族同然の存在でもある患者さまたちの歯を長く残すため、お気軽に検診にご来院いただければ嬉しいです。